男女共同参画について - 第50回日本腎臓学会総会 SP-1-3
腎臓専門医キャリア途上の不安と期待
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2007年 第50回日本腎臓学会総会特別企画
男女共同参画委員会設立シンポジウム
「男女で育む腎臓学会の未来像・女性腎臓専門医へのキャリア支援」を振り返って
SP-1-3「腎臓専門医キャリア途上の不安と期待」
京都大学大学院医学研究科腎臓内科学 辻井 知美
私は現在卒後7年目で、5年間の臨床研修・専攻医勤務後、大学院に進学し医学基礎研究を始めました。腎臓内科臨床を興味深く感じ、更に深い理解を目指して研究に研鑽しています。しかし今後、女性として結婚・出産・育児という機会に遭遇した場合、腎臓内科医として臨床・研究を継続していけるかについて大きな不安を抱いています。実際、私の周囲の女性医師先輩方では、圧倒的に「未婚」または「既婚で子供なし」の先生が多く、「既婚で子供あり」の先生は常勤非常勤を合わせても2割に過ぎません。
そこで、「常勤医師、既婚、子供あり」の先輩方が常勤を継続できている理由について考えました。すると、「自身の実力・努力」「家族の協力」「職場の理解・協力」「育児支援システムの存在」という四要素が必要であることがわかりました。女性医師が離職してしまう最大の原因は、「出産・育児」です。現在の勤務状況では、女性医師が「医師としての社会貢献」と「女性としての社会生活」を両立するには、並大抵でない努力と体力かつ周囲の協力を要します。
私たちキャリア途上の女性医師の学会への期待です。「出産や育児にかかわらず、腎臓専門医としてのキャリアをもう少し継続しやすい道をつくってほしい。」私たち女性医師の多くは、今ほど継続困難な環境でなければ、常勤かつ専門医として働き続けたいと思っています。育児期間中の男女共に選択可能なフレキシブルな勤務態勢(時間勤務ポストやワークシェアリング等)の確立など、国・学会レベルでの育児・介護サポートを期待します。育児期間中にこのようなフレキシブルな働き方を選択してキャリアを継続することができれば、10年後には腎臓専門医総数が今以上に維持され、医療レベルはもちろんのこと、腎臓専門医の労働環境の改善につながると思います。全医師が働きやすい環境、仕事と家庭生活を両立しやすい環境が整備され、女性医師が専門性を継続できる道が広く拓かれることを希望します。
「常勤医師、既婚、子供あり」の先輩方が常勤を継続できている理由
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・ 専攻医レベル以上の医師キャリアがある。
・ 長期(1年以上)にわたる休職期間がない
・ 自分が仕事を続けることに対する家族の理解と支えがある。
・ 夫と自分の勤務地が同居可能範囲内である。
・ 9時~17時の時間勤務 (保育園お迎え)
・ 子供の急病時のback upシステムがある。
(自身が大学院生である、病児保育がある、親または専属シッターが近くにいる)
・ 夜間休日緊急呼び出しがない、または呼び出し時のback upシステムがある。
・ 時間勤務や緊急呼び出し免除に対する科長および同僚の理解がある。
自身の実力・努力
家族の協力
職場の理解・協力
育児支援システムの存在
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| まず、ご本人に専門医レベル以上の医師としてのキャリアがあり、長期休まずにこられている、「自身の実力・努力」があること。それから、家族の理解と支え、夫が自分の勤務地と同居可能範囲内で育児協力をわずかでもしてくれる、というような、「家族の協力」があること。そして、9時から17時あるいは18時くらいまでの保育所のお迎えにいける範囲の時間勤務であること、子供の急病時に自分が抜けることができる、あるいは親か専属シッターが迎えにいってくれる、病児保育がある、というようなback
upシステムがあること、夜間緊急呼び出しがない、あるいは免除、または呼び出し時に他の家族が子供を見てくれる,他の先生が対応してくれるなどのback
upシステムがあること、そしてこのような働き方に体する科長および同僚の理解があることといった、「職場の理解・協力」それと「育児支援システムの存在」という、この4要素が必要である、ということがわかりました。 |
キャリア途上の女性医師の
学会への期待
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「出産や育児にかかわらず、腎臓専門医としてのキャリアをもう少し継続しやすい道をつくってほしい。」
男性医師および育児中でない女性医師の
不公平・不平等の是正とともに、
育児支援システムの確立
- 出産・育児中の医師に対する各大学・病院の受け入れ体制の促進
- 時間勤務常勤ポストやワークシェアリングなど、男女を問わず選択できる、育児期間中の勤務態勢のバリエーションの確立の勧告
- 育児期間中の専門医・指導医の申請や更新システムへの配慮
- 復帰プログラムの推進・整備
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腎臓専門医の労働環境改善
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| そこで学会にお願いします。「出産や育児にかかわらず、腎臓専門医としてのキャリアをもう少し継続しやすい道をつくってもらえませんでしょうか。」私たちキャリア途上の女性医師の多くは、ここまで無理しないと続けられない環境でなければ、もう少し続けやすい環境さえあれば、常勤で専門医として働き続けたいと思っています。親やシッターといった個人の努力を越えた、国・学会レベルでのサポートの確立を期待します。たとえば、腎臓専門医として、子供の成長に合わせた、フレキシブルな働き方の選択を可能にするなど、学会から大々的に勧告していただきたいです。時間勤務ポストやワークシェアリングもその一つの方法であろうし、女性医師だけでなく男性医師の育児参加ももっとしやすい環境を築くことも大切なことだと考えます。育児期間中にこのようなフレキシブルな働き方を選択してキャリアを継続することができれば、子供が大きくなってフル勤務ができるようになる10年後には、腎臓専門医総数が今以上に維持されることになり、医療レベルはもちろんのこと、腎臓専門医の労働環境の改善につながるのではないでしょうか。 |
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