診療ガイドライン

診療ガイドライン - 第2章 検尿の原則



第2章 検尿の原則
 検尿実施時の注意点

 ・検尿技術上の注意点
 新鮮尿は直ちに検査するのが原則である。早朝尿の場合、時間が経過することは避けられないが可能な限り午前中に検査する。

 ・採尿条件に関する注意点
 検尿結果は運動、発熱、月経など、種々の条件で影響を受けるための結果の解釈には採尿時の条件に関する問診が重要となる。原則的には、問診は異常所見のある場合のみでよい。女性では月経中はもちろんのこと、月経の前後数日間は経血の混入のため潜血陽性となりやすく、可能であればその時期を避ける。
 また細菌尿、白血球尿でも膀胱刺激症状等を欠く場合、外陰部からのコンタミネーション(汚染)の可能性も考慮し、清潔な中間尿採取を指示する。

 ・尿蛋白評価時の注意点
 尿蛋白の定性評価は、濃度の表示であり通常、1+が30mg/dL、2+が100mg/dL、3+が250~500mg/dLであり(試験紙によって多少異なる)、希釈尿では本来の判定と比べワンランク程度低く出ることが経験されるため、尿比重にも注意を払う。最近は尿中クレアチニンも半定量して、蛋白/クレアチニン比で表現する試験紙もある。

 ・尿糖評価時の注意点
 尿糖は糖尿病の早期発見に有用である。食後何時間の尿かをチェックする。糖尿病スクリーニング目的には食後2時間の尿が適している。大量のビタミンC摂取で尿糖、尿潜血の発色が抑制され、偽陰性の原因となることに留意する。


▲ページ上部へ