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APSN海外CME参加報告について

APSN 海外CMEへの参加レポート

APSN 海外CMEへの参加レポート
群馬大学医学部附属病院 腎臓・リウマチ内科 池内秀和


 中国・武漢で行われた中国腎臓学会(CSN)で行われたAPSN海外CMEに参加してきました。武漢というのはどこだろうと調べてみて、子供の頃に慣れ親しんだ三国志の舞台、赤壁の戦いの古戦場近くということを知りました。魏・呉・蜀の三国のうち呉の領土であり、当時作られた物見櫓が改築を受けながら黄鶴楼という名前で今も残っており、観光名所になっています。黄鶴楼と長江、長江にかかる武漢長江大橋はCSNのシンボルになっており、会場内のいたるところでこの三者をあしらった図が使われていました。

 中国で行われる学会に参加したのは昨年上海で行われたアジアリウマチ学会に次ぎ二回目ですが、今回はその規模の大きさに驚かされました。参加人数は1万人近くとのことで、オープニングセレモニーから参加しましたが、とても大きな学会場に人があふれている状態です。その熱気も雰囲気も日本の学会にはないもので、巨大スクリーンに講演者が大きく映し出され、ラスベガスで行われている何かのショーを見ているようでした。スピーチは最初の会長講演は英語で行われ、その後は中国語でしたが、スライドは中国語と英語の両方が用意されていました。規模もそうですが内容的にもグローバルを意識したものになっていると印象を受けました。  空港の送り迎えやホテルのチェックインの際に、中国の若手の先生方にお世話になりました。みなさん英語が上手で、今やっている研究や仕事に関してお話しさせていただきましたが、自分の仕事に誇りをもって一生懸命やっていることがよく伝わってきます。日々の業務で疲弊してなかなか研究まで手が回らない日々が続いていましたが、うかうかしていられないという気持ちになりました。

 今回の主目的のAPSNのCMEの他、英語のセッションも充実しており、南学先生ら米国・欧州・アジアを代表する先生方による講演は非常にためになりました。一言で腎臓といっても裾野が広く、専門医も指導医も取らせていただき臨床も長くやっていて、自分ではいろいろ知っているつもりでも、日ごろ関わっていない分野ではいろいろupdateしなくてはいけないことが多数あることを改めて自覚させられました。日本の学会は参加する時間がほとんどとれず、単位をとるだけとか、自分の発表のためだけの参加になってしまい(すみません)、学会で勉強するという当たり前のことを当たり前にできたのは久しぶりです。もちろんこれは、せっかく日本腎臓学会として送り出していただいたのだからという責任感の他に、ホテルも学会場と直結していて寄り道しようがないとか、海外で気軽に学会場から抜け出せないという要因もあったかもしれませんが。
 最後に、選考していただいた関係各位および留守中病院業務を代行していただいたチームの方々に対し、貴重な機会を与えていただいたことにこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。


Asian Pacific Society of Nephrology (APSN)
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