ニュース&トピックス

02)重要なお知らせ

eculizumab 使用に関する注意喚起

ソリリス使用時の注意・対応事項

髄膜炎菌感染はワクチン接種でも防げない場合があり、高熱が出た場合は髄膜炎菌感染を疑って早急に検査を行い、抗生剤の投与を検討することが重要である。特に侵襲性髄膜炎菌感染症は、髄膜炎や髄膜脳炎以外にも、髄膜炎症状を伴わない菌血症として突発的に発症することがあり、発症直後は白血球増多やCRPの上昇もなく、インフルエンザや感冒との鑑別が難しく、24時間以内の早い経過で敗血症により死亡しうる急性劇症型があるため注意が必要である。

そこで、以下のような対応が推奨される。
【確実な診療体制の確保】
・受診時に保険証とともに患者カードを提示(患者カードは常に保険証、診察券などとともに携帯する)していただくように注意喚起する。
・ソリリスを投与している医療機関においては診療端末で警告が表示されるようにするなど、ソリリス投与中であることを周知する手段を講ずる。
・ソリリスを投与している医療機関に速やかにアクセスできない場合は、発熱時に受診する連携医療機関を予め定めておく。

【予防・治療】
・免疫抑制剤やステロイドを内服している場合は、保険適応に留意しつつワクチンの2回接種や抗生剤の予防的投与を検討する。
・キノロン系抗菌薬を手持ちとして、早期の受診が困難な場合は、軽度の発熱でもまず内服してもらい、その後に必ず受診していただく。
・受診時に血液培養を採取するとともに、セフトリアキソン等の静注抗菌薬を開始する。

【実際の対応】
・以上の推奨に基づき、実際には個々の施設の環境や患者さんの状況に応じて対策を検討していただく。

電子カルテ等での注意喚起の文書の例
『ソリリス使用中の患者です。髄膜炎菌、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌など、莢膜を有する細菌への易感染性を示します。発熱、頭痛、嘔気/嘔吐など体調不良を訴えて来院された場合には髄膜炎菌感染症(髄膜炎様の症状が全くなく、発熱のみのことも多い)を考え
1.血液培養2セット
2.CTRX(セフトリアキソン)の速やかな開始
3.髄膜炎を疑う場合は、髄液検査で定性・一般細菌培養提出
4.サージカルマスクなどによる飛沫感染対策
特に1と2はできるかぎり迅速にお願い致します。』


非典型溶血性尿毒症症候群診断基準改定委員会