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エクリズマブ使用に関する注意喚起のお願い

日本腎臓学会 会員各位

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は、小児、成人を問わず発症する希少疾患です。昨年、日本腎臓学会と日本小児科学会は合同で aHUS 診断基準を作成し、本邦でもaHUSの治療薬として抗C5モノクロナール抗体(エクリズマブ)が認可されております。
日本腎臓学会/日本小児科学会合同委員会による aHUS の診断基準は、これを字義通り「典型的でない HUS」つまり「血栓性微小血管症(TMA)から志賀毒素によるHUSおよびADAMTS13活性著減によるTTPを除いたもの」としており、aHUSはTMAを来す多彩な疾患を含み、そのうちの更に一部が補体制御異常による(狭義の)aHUS になります。一方、一部の欧米の論文ではこの補体制御異常による aHUSのみに対して aHUSという用語を使用している場合がありますが、当委員会の診断基準では、aHUSを上記のような論文で含まれるよりも多彩な疾患を含む「非典型」の字義に忠実な定義をしており、ご注意いただきたいと思います。
抗C5モノクロナール抗体(エクリズマブ)の保険適応取得のための治験で対象になったのは、aHUSの中でも補体制御異常によるHUSの患者群ですが、昨今、これ以外のaHUS患者での抗C5モノクロナール抗体の使用が見受けられます。
補体制御異常の証拠を明確にするためには、遺伝子解析検査と溶血試験などの蛋白解析が必要で、補体制御には種々の分子が関与しているためその結果を得ることは容易ではなく、確定診断の前の急性期に抗C5モノクロナール抗体を使用する状況はあるかと思われます。しかしながら、長期的に治療を継続する場合は、補体制御に関する遺伝子解析検査と溶血試験などの蛋白解析の結果を踏まえた上で慎重に判断するべきと考えます。
委員会としては、適切な診療により、より多くの患者が利益を受けられることを願っております。


非典型溶血性尿毒症症候群診断基準作成委員会
委員長 香美祥二


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